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埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科 大西秀樹先生(NPO委員)より「がんの治療と暮らしのサポート実践ガイド」書評をご寄稿いただきました。

2017.06.01

【書評】 がんの治療と暮らしのサポート実践ガイド -通院・在宅治療の継続を支える-
                                                 埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科 大西秀樹

 

本年2月、NPO法人キャンサーリボンズより「がんの治療と暮らしのサポート実践ガイド-通院・在宅治療の継続を支える-」が出版された。非常に役に立つ本である。

 

がん患者さんは治療と家庭、仕事、実存面における両立の問題に直面し苦しんでいる。これらは各々が重大な問題であり、早急な解決が必要である。そのためには、様々な情報収集が必要だが、最も良いのは良心的で分かりやすい手引書であろう。よい情報を得ることで闘病や看病の見通しが立ち、気持ちが安定し、医療者との会話も現実に即したものとなる。しかし、これら問題に具体的な回答を与える本はほとんど見当たらない。がんになって混乱のさなかにいる患者さん、ご家族にとって良い状況とは言えなかった。そのような現状を踏まえてこの本が出ることになったのだと思う。

 

本書は副題で「通院・在宅治療の継続を支える」とあるように、がん治療と生活を結びつけ、かつ両立させるための具体的な方法を導いてくれる。内容は5つに分かれ、Ⅰ暮らしをサポートする、Ⅱ暮らしのシーン別にサポートする、Ⅲ治療と暮らしをつなぐ、Ⅳ役立つ資源を知る・活用する、Ⅴこころをみる、こころを支える、と生活重視の構成になっている。執筆陣はその分野の第一線で活躍している専門家である。各項目は数ページで、図が多く用いられているので混乱の中にいる患者さん、ご家族にもわかりやすい。

 

特筆すべき点は、患者さんが日常生活を送るうえで最も困難に感じる点が選ばれて、分かりやすく書かれている事である。これは臨床の現場で患者さんの声に真摯に耳を傾け、問題点に答えてきたからこそ出てきた項目と回答なのだろう。

この本は通読するのもよいが、読者が問題としている点を探して勉強するのが良い。主だった点が網羅してあるので、読者の悩みに合致する点が必ず見つかると思う。この素晴らしい本を企画、作成したキャンサーリボンズの方々に敬意を表したい。

 

*書籍のお申し込み等詳細は、こちらのチラシをご覧ください。

 

 

 

この本で救われる患者さん、ご家族は数多くいる。まずは皆様に読んでいただきたい。そして、がんになって悩んでいる患者さん、ご家族に薦めてほしい。また、病院の図書室に必ず置くべき一冊だと思う。