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被災地のがん患者さんの状況について、いろいろな立場の方から情報・メッセージをいただきました。

2011.04.13

お寄せいただいた情報・メッセージをご紹介します。

 

■避難所にいるがん患者さんの把握をして、治療やケアをこちらから申し出る必要があると思います。患者さんは、治療継続の希望を申し出られない状況があります。被災地のがん患者さんの混乱は、現在のところあまり顕在化しておりません。このことは、阪神淡路大震災の時と非常に似ています。治療の中断や遅れについて、がん患者さんからは何一つ文句が出なかったことが私たちの調査でも分かっています。阪神淡路大震災の時は、病院が落ち着いてから患者さんに連絡して治療に来るように伝えても、「まだ大変な人がいるから後回しでよい」と、被災した他の患者さんの世話をするように頼むがん患者さんもいらっしゃって、がん患者さんはこのような状況ではむしろ静かであり、周囲の状況を思いはかって「治療をしてほしいと申し出ることができないのではないかと思いました。過酷な状況が長期化するとどうなるのか、我慢されてしまうのではないか心配です。(看護師) 

 

3月末の時点では、一般患者さんの受付を一切していなかったので病院内は閑散としており、貯水槽の復旧に時間がかかっていたためにお手洗いの水洗も機能していない状態でした。緊急の患者さんしか受け入れていないとのことで、外来化学療法室内に患者さんはいらっしゃいませんでした。
こちらの病院に入院されていた患者さんで、地震後すぐに退院を余儀なくされ、不安でたまらず脱毛が始まりパニックになられた方がいらっしゃいました。以前私の名刺をお渡ししていたので携帯に電話を頂戴し、何事もなくスムーズにウィッグをお届けすることができたとこをとても喜んでくださって、わざわざお礼のお電話もいただきました。
(宮城県、医療機関を訪問しているNPOのパートナー企業社員) 

 

入院患者さんは他の地域の病院に移ったり、外来患者さんも少しずつ治療再開できていると聞いています。ただ、これから外来で化学療法を始める予定だった方は開始が遅れることも予想され、不安な方も多いかもしれません。(薬剤師) 

 

病院が通常診療に戻っても、ガソリンが入手できない、電車も動いていない、バスの本数がまだ少ない、といった状況で、通院したくてもできない患者さんが多かったです。医療スタッフ達もやっとのことで通勤していると伺いました。(宮城県、医療機関を訪問しているNPOのパートナー企業社員) 

 

3月末に、ようやくガスが通り暖房が入るようになりました。病院ロビーのフロアに布団を敷いて寝かされていた患者さんも、何とか病室に移動できたようです。4月に入って、ようやく外来化学療法室が再開しました。(宮城県、医療機関を訪問しているNPOのパートナー企業社員) 

 

外来化学療法室では、患者さんも通院のためのガソリン確保に苦労しているとのことですが、治療は継続できているとのことでした。(岩手県、医療機関を訪問しているNPOのパートナー企業社員 

 

在宅で治療されている患者さんへの対応が遅れているのではないでしょうか。医師や看護師もなかなか訪問できない状況だと思います。特に、医療用麻薬(痛み止め)が必要な方にちゃんと薬が届いているのか心配です。(薬剤師) 

 

3月終わり頃から治療できるような体制になってきたようですが、院内は節電のために暗く、暖房も使えず、お湯も制限があるので患者さんに申し訳なく思っている、と医療スタッフの方から伺いました。(岩手県、医療機関を訪問しているNPOのパートナー企業社員 

 

震災2日後に病院をお訪ねしたところ、院内は節電のためにうす暗く、手術・治療・検査などが延期されているとのことでした。被災地沿岸部からの患者搬送や、医療者の被災地派遣などをしているため、医療者の皆さんにも緊張感が見えました。被災地にお送りしたために売店の棚の商品がなくなっていましたが、補充がいつになるのか分からないので不安とのことでした。(岩手県、医療機関を訪問しているNPOのパートナー企業社員 

 

患者さんから「帽子が欲しいけれど、売店が震災で閉店している」と連絡をいただき、病棟にお持ちしました。「サンプルを見てずっとほしいと思っていて、電話をしようと思った矢先に地震がきて、本当に困っていたので助かりました」と喜んでいただきました。(宮城県、医療機関を訪問しているNPOのパートナー企業社員) 

 

患者会の活動もしばらく休止になっています。外来化学療法室では、曜日を決めて患者さんの受け入れが始まっていますが、院内は暖房が効かないので寒く、患者さんも殆どいらっしゃいません。(宮城県、医療機関を訪問しているNPOのパートナー企業社員

 

■HPを拝見し、山田邦子さんのメッセージも読みました。私も同じ思いで、この一ヶ月おりました。沢山の方が亡くなり、被災をされている中、私も同じ病気の方がどうしていらっしゃるのかと、常に頭の中で気になっています。
実は昨日、近くの内科でお医者さんとお話ししたら、今回の震災で栃木県などの薬の工場がダメージを受けて出荷ができない、あるいは品薄になっている薬もあると聞きました。そこで、いつも私が「タスオミン」を出してもらっている薬局に電話をして現状について聞いてみました。とにかく今は、被災地を優先して薬を出しているそうです。その分、私達被災地にいない人の薬は、薬品会社が出荷を控えているので少し品薄の状態でもあるため、なるべく多くの人に薬が行き渡るようにと、日数を少なくしてお出ししているとの事でした。(例えば90日分出していたところを、30日を3回に分けて出す、など)私達が数回に分けて薬を取りに行く手間が出るとしても、それが被災地への後方支援になっていると知って取りに行くことができれば、きっと気分も異なりますよね。
そして、やはり私の専門「心のケア」についても、今は身近なところから活動をはじめています。先日は、子どもたちを集めて一緒に絵を描いたり創作をして楽しい時間を過ごす、そんなボランティアワークを開きました。春休み中だったので、どこにも行けない状況だった子どもたちが沢山集まって楽しんでくれたようです。参加費は義援金として寄付をする形で行いました。次のこととして考えているのが、やはりがんの患者さんの色彩ワークショップです。被災地から離れている、例えば首都圏にいる患者さんもまだまだ余震が続く中、病気の心配に加えて地震の心配をすることで、頭の中や心の中が一杯になっている方もいると思います。そんな方々の気持ちを整理したり、心の循環をよくするきっかけになったり、また単純に色を使って「楽しい」と思える時間をひとときでも過ごしてもらえるような、そんなワークを出来ればと思っています。(関東在住・患者さん)